アール・ヌーヴォー様式　鶴絵のカラフェ　銀の装飾付き

20年前にロンドンの中心部で開催されたハイクオリティなアンティークセレクションばかりを集めたアートショーで購入したものです。価格は約25万円でした(領収書あり)。

19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで起こったアール・ヌーヴォー（フランス語: Art nouveau、新しい芸術）の旋風。西洋人が憧れたオリエンタル、特に日本の文化には大きな影響され、様々な日本様式が導入されたことはご存じのとおり。

少し時代はズレますが、本品はまさにその影響を色濃く残した逸品。日本の象徴であるかのような鶴ーー白鳥でもなく、コウノトリでもなくー一の繊細な美しい彫リ。大小合わせて5羽。まるで今まさにガラスから飛び出し、大きく羽根を開いて、ひたすら一方向を目指して軽快に翔び疾り去る姿には躍動感があります。それとは対照的にクリスタルガラスは厚みがあって実に重厚です。カラフェのカーブの丸みも柔らかさを醸し出しています。パーフェクト。

ボトル首に巻かれた銀はシンプルで、鶴の絵を余計引き立てています。更に、厚みと重みを持つ蓋によって、ボディーとのバランスが取れ、全体に安定感を生み出しています。

製作国　イギリス

製作年　1938年

材質　　クリスタル、純銀(バーミンガム))

サイズ　高さ　　　　約17.5cm　　
　　　　口径　 約4.5cm
　　　　底部直径　　約11.0cm

状態
全体としてはガラスの艶も衰えず美しい姿をとどめています。目を凝らして見ると、中央部に髪の毛状の細く浅いスクラッチが2,3本水平にスーと流れているのと内部に小さなチップがひとつあります(写真には映りません)。加えて、銀の内部にガラス、更にその内側には貝のようなものが嵌められていて、その箇所に幾分の変色が見られます。

その他、経年による小さな損傷がある可能性もあります。上記の状況を踏まえて、アンティーク品の特性にご理解とご納得を頂ける方に限りご購入くださいますようお願い致します。

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